兄妹とも闇堕ち条件は然程変わらない。
2人とも、自分が堕ちなければ死者が出ると判断した場合、躊躇う事なく闇堕ちを選ぶ。
ただその考え方、闇堕ちを選択しても構わないと思う理由には明確な差異がある。
●翼の場合
必ず誰かが来て闇堕ちした自分を止めてくれるとの信頼から、堕ちても大丈夫、と思っている。
家族でも、友達でも、仲間でも……きっと、誰かが来てくれる。
迷惑掛けちまうなー、とは思うものの、やっぱ死人が出るよりマシだろ、と。
だから帰ったら謝って礼も言わないとな、ぐらいに思ってる。
●勇騎の場合
最悪帰って来れなくても構わない、と思っている。
以前ならそもそも、家族（もしくはその家族が大事だと思ってる人）以外の為に闇堕ちを選択する、と言う事自体がありえなかった。
それが学園に来てから変化を見せて、助けれる人は助けたいとは思う様になった。
自分が動かない場合に死ぬだろう対象にも、大切な人や守るべき人はいるだろうって思う様になった。
でも自分自身の存在価値と言うものを一切信じていない為、自分がもし帰らなかったとしても大丈夫だと思ってる。
自分が大切だと思う人達は、皆自分自身を守れるだけの強さを持ち合わせているから、と……。
大切な人を傷付けるのは嫌だから、救出にはこなくていい、とも……。
いざという時に、躊躇わず灼滅してくれる奴がいてくれたら有難いくらい思ってる。
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